尺八とチェンバロ
尺八とチェンバロ、どちらの楽器が身近でしょうか？チェンバロはバロック音楽の楽器で、私はヨーロッパで知りました。尺八は？私の母国から来たものです。でも、若いころに尺八を聞いた記憶はありませn。だから、尺八とチェンバロのためのデュオを作曲するのは、想像にも及びませんでした。しかし、尺八奏者とチェンバロ奏者が目の前で小さな即興演奏を披露してくれたとき、私の心配は吹き飛んだのです。 素晴らしいコンビネーションです。
チェンバロ奏者のダニエル・トランブルとコンサートデザイナーのイルカ・ザイフェルトは、川端康成の短編小説「眠れる美女」を取り上げました。
「60代後半の男、江口は、海辺の人里離れた家を何度も訪れ、眠っている女たちの隣で一夜を過ごす。眠っている美女たちとの出会いが、老人に何を呼び起こすのか、どんな記憶と死の間際の出来事を呼び起こすのか、それがこの物語の苛烈な魔力を構成しているのである。道徳的に疎外された構造でありながら、同時に日本の古い伝統に根ざした小説である。” （引用）
Eguchi を描写するのではなく、彼のために私は音楽を書いてみた。Eguchiが私の音楽を聴きながら、思い出の中に沈み、あるいは思考の中に迷い込んでいくでしょう。
